2024/05/24 15:09


犬は1日に12時間〜15時間寝ると言われており、子犬やシニア犬に至っては18時間近く寝ることもあります。
愛犬がぐっすり寝ている姿は、癒される光景でもありますね。 
寝ている最中にピクピク手足を動かしたり、鼻が短いワンちゃんはいびきをかきやすかったり、寝言を言ったりしていると気になることもあるでしょう。犬の寝方をよく観察してみると、意外な犬の気持ちが分かるかもしれません。 

犬にも「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」があります。
しかし犬のレム睡眠は80 %、ノンレム睡眠が20%と、ほとんどが浅い眠りです。
これは野生のときからの名残であり、敵に襲われてもすぐに逃げられるためと考えられます。
「うちの子、いつも寝てばかりいるけど大丈夫? 」と不安に感じたことがあるかもしれませんが、深い睡眠はわずか20%程度。
浅い睡眠がほとんどを占めるため、人間よりも長い睡眠時間が必要になります。 

1日の大半を睡眠に充てている犬の寝相はその時の体調や気分によって変わると言われており、寝相を見れば愛犬の状態がわかります。


うずくまることで急所のお腹や内臓を守りつつ、体温を逃がさずに温まることができるため、寒い季節によくみられるでしょう。
ただ、手足をぎゅっと体の中にいれるほど丸まって身体を震わせていたり、目だけ開けて飼い主様に何かを訴えるような視線を送っている場合は非常に寒さを感じている場合があります。
また、雷など何かの物音などをとても怖がっている可能性もあります。
もし体をこわばらせて寝ている場合には、何らかの不快がありそう。 

横向きは犬にとって楽な姿勢で、安全性が確保されているときに見られ、
熟睡しやすい寝方といえるでしょう。
寝言を言ったり、いびきをかいたりする子がいたり、声をかけても目を開かない子もいます。 
また、少し暑さを感じている場合にもみられます。室温などに注意を払いましょう。

仰向けの寝方は、へそを上に向けていることから、よく「へそ天」と呼ばれています。
急所であるお腹を無防備に見せていることから、周りの外敵などを気にせず、とてもリラックスしている状態といえるでしょう。
大人の野良犬などは、この寝方をすることがほとんどありません。
愛犬が幸せだと感じながら寝ている姿を見ると、嬉しいですよね。
ただし、お腹をさらけ出している寝方は、犬が暑さを感じている時にも見られます。
室温を確認したり、犬の呼吸が荒くないかどうかなど、しっかり様子を観察しましょう。

飼い主さんにぴったり引っ付いて添い寝している時は、飼い主さんを信頼している証拠です。
自分の体を密着させて添い寝する行動が見られたら、安心感が高まっている時は多いのですが、中には寒くて引っ付いてくる子もいます。 
ただし、犬の体についたダニや菌がベッドで繁殖し、飼い主にも健康被害が及ぶ可能性や飼い主の膝が犬に当たってしまったり、爪が目に当たってしまうなど、危険なケースも考えられます。
安全性を考えると、別々で眠ることをおすすめします。 

両手足を地面に目いっぱい広げて、まるでスーパーマンのような恰好で寝ている時は、とにかく元気いっぱいという証拠です。
寝ているのですが、目が覚めた時にはすぐ飛び跳ねて遊べるように、この姿勢を取ると言われています。子犬などに多く見られる寝相で、見ているだけでも和ませてくれる寝相です。

お気に入りのおもちゃや毛布などと一緒に寝ている場合は、安心して眠りたいと思っている気持ちの表れで、子犬時代には良く見られます。
迎え入れた時に子犬の場合、母犬のニオイが付いた物を一緒に入れてあげると落ち着いて寝てくれることが多いです。


熟睡するのではなく、ウトウトとしていたり、一時的に休んでいる時によく見られる姿です。
うつ伏せで寝ている犬は、飼い主様の立てる物音などをよく聞いていて、興味がある臭いや音がした場合はぱっと飛び起きたりと、何かあればすぐに動けるよう警戒している証拠で、周りの環境に不安を感じているのかもしれません。 
ただし、暑いときは床の冷たさで体を冷やしている可能性もあります。
お迎えしたばかりの犬や保護犬などは、はじめはほとんどうつ伏せで寝ていることが多いです。
焦らずに犬がリラックスできるまでゆっくり待ちましょう。


この姿勢は犬が非常に強い腹痛を感じているときにするとされており、すい臓の炎症による痛みを訴えている可能性が高いです。
内臓の圧迫を和らげることで腹痛を緩和させるとも言われています。
耳が後に傾いているなど顔まわりの表情も緊張していたり、「ハアハア」と短い呼吸を繰り返すパンティングをしていたりするなどのストレスサインも見られる場合が多いです。
いつもよりも元気や食欲がなく、じっと休むことができずにウロウロしたりしていたら、すぐに病院を受診してください。

特に、浅い眠りの「レム睡眠」のときには、手足や目をピクピクと動かすことが多いです。
犬も夢を見ると言われており、夢の内容によって手足や口もよく動かすでしょう。 
ただし、寝ているのに何度も激しく動くことが続くなど、脳に関わる病気が原因で、勝手に体が動いてしまうケースもあります。
脳腫瘍をはじめ、激しく震える・足をバタバタ動かすなどのけいれん発作がある場合には、
てんかんの可能性がありますが、動きを止めようと触ったり、大声で呼んだりしてはいけません。 
気になる寝方をしていたら、動画を撮影するなどして獣医師に相談しましょう。

快適な室内環境は、温度が20℃〜25℃程度、湿度は50%〜60%程度です。
ただし、高齢犬や子犬、何らかの基礎疾患のある犬では少し高めが良く、若い健康な大型犬は少し低めが心地よいと感じます。
犬は薄暗くて狭い場所で安心できることが多いため、愛犬専用の寝床を用意すると良いでしょう。

完全に家族と遮断された環境になると不安に感じる犬も多いため、リビングの隅など、
家族の気配を感じる場所に設置すると犬がリラックスできます。
寝床は夏場はスノコなどを利用して涼しく、冬は毛布やタオルなどを敷き詰めて温かくしておくなどの気遣いも大切です。

犬は一緒に寝る人で選ぶ場合と、どこで寝るかを優先する場合があるようです。
人で選ぶか、場所で選ぶかは犬の性格や体調、日々の習慣などによっても異なります。
穏やかでおおらかな性格な子は場所を優先することがあるかもしれませんし、怖がりであったり、不安なことがあったりする場合には、大好きな飼い主の近くにいることで一番リラックスできます。

体調が悪い場合には、飼い主の近くにいることにより心の安心を得るタイプの子、
自分が快適に寝られる場所を選びたいタイプの子がいると考えられ、これは日々の習慣に影響を受けることがあります。
「飼い主自身と愛犬の安全、快適な睡眠を確保すること」が絶対条件です。
一緒に寝てみたいと思っているのであれば、犬側の心理も把握したうえで自分の事を信頼させてあげてください。