2024/07/12 10:54
犬は、体の構造が寒さに強いようになっています。犬の基礎体温は38℃後半から39℃前後といわれており、人間よりも少し高いことが普通です。
また、肉球と鼻にしか汗腺がなく、「ハァハァ」と舌を出す『パンティング』という呼吸法で体温を下げようとしますが、
全身が毛に覆われていて、熱を逃しにくいようになっています。
特に、日本の夏は非常に暑くジメジメしているため、犬にとっては非常に過ごしにくい環境です。
湿度が高いとパンティング時の唾液の蒸発がしづらいため熱の放出が上手くいきません。
夏の時期は、曇天や早朝や夜間であっても充分に注意をしてあげましょう。
・短頭種
フレンチ・ブルドック、パグ、シー・ズー、チワワなど
短頭種は鼻が短いため熱を逃す能力がほかの犬種に比べて低くなり、
気化面積が大幅に少なくなるため、体温を下げるのが苦手なのです。
・短足の犬種
ミニチュアダックスフンド、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ペキニーズなど
「足が短い」というだけで暑さに弱くなるわけではありませんが、
脚が短いことで体がコンクリートに近くなり、
コンクリートから反射される熱の影響を受けやすいのです。
屋内なら気にするほどではありませんが、
屋外を散歩する場合はより注意が必要です。
・北欧犬種
セント・バーナード、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、フィニッシュ・スピッツなど
寒い地方原産の犬たちは、アンダーコート(下毛)が密集しているため、
暑い時期には熱がこもりやすくなります。
要らない毛を取り除いてあげるためにも、
被毛の中に空気を取り入れてあげるためにも、
毎日のブラッシングは欠かせません。
・肥満の犬
肥満の犬は皮下脂肪が多いため、熱を蓄えやすくなります。
また、脂肪が気道を圧迫し狭くなることにより、
パンティングで熱を逃がしにくいです。
・高齢犬
加齢に伴い、体温調節が苦手になるのは人も犬も同じです。
暑さは犬の体にとってストレスになり、
下痢などを起こしやすくなります。
いたわって夏を過ごしましょう。
犬が快適な温湿度は温度:20〜25℃、湿度:50%程度と言われています。
・カーテンやすだれなどを利用して犬の居住スペースに直射日光が当たることを避け、通気性を良くしてあげる。
・エアコンなどを利用して、上がってしまった部屋の温度を下げる必要があります。夏場は基本的に、部屋の温度が上がり過ぎないようエアコンをつけっぱなしにしておくことを推奨します。
・扇風機のみの使用は避け、ひんやりアイテムやエアコンと併用し、下にたまった冷たい空気を循環させるようにしてあげましょう。
・お留守番中に飲み水を切らさないよう、たっぷりと用意しましょう。
・散歩は早朝の気温が上がる前か、夕暮れの暑さが和らぐ時間帯を選んで行くのがおススメです。
・首のまわりに保冷剤を巻くのも暑さ対策として効果的です。
保冷剤が直接肌に当たらないクールバンダナや、通気性のいいメッシュ素材のウェアを用意してあげましょう。
・日中のアスファルトの路面は熱を吸収しやすくなっており、路面温度はかなりの高温になります。靴を履かせてみるのも良いかもしれません。
愛犬の暑さを和らげようとサマーカットをする飼い主もみかけますが、暑さ対策としての効果はあまりないとされています。
犬は発汗で体温調整ができないため、 被毛を必要以上に短くすると、過剰に日光や紫外線を浴びることになり、シミや皮膚炎のリスクが高まります。
また、日光が直接皮膚に当たりやすくなるため、被毛がある場合より暑く感じることもあります。
犬の被毛は夏でも役割があり、気温や直射日光、外部寄生虫から皮膚を守っています。
こまめなブラッシングで抜け毛を取り除き、通気性のいい夏毛への切り替わりを促す方が大切です。
呼吸困難、多量のよだれ、足元のふらつき、ぐったりする、などは熱中症の初期症状です。
応急処置は、まず体を冷やすことですが、氷は避けて冷たい水を利用しましょう。
濡れたタオルで体全体を包んで冷水をかけてあげたり、
スポンジなどに冷水を含ませて顔や頭、動脈の通っている脇の下、首の周り、内股などを冷やしてあげたりするのも良いでしょう。
水が飲めるようなら新鮮な水を十分に与えましょう。
夏は犬にとって過酷な季節です。
犬は暑さに弱い生き物なので、人間が大丈夫な温度でも、へばってしまうことはよくあります。
こまめな水分補給が大切ですし、短時間であっても車内に残すのは絶対にNGです。
愛犬のために日本でも快適な夏を過ごさせてあげてください。