2024/08/02 10:26

犬の噛み癖は多くの方が悩んでいる問題の1つでしょう。ただ、犬は本能的に噛みつく生き物ですので、噛みつくこと自体は問題ではありません。
子犬の甘噛みは可愛い仕草ですが、成犬の噛み癖は大きなケガにもつながるので、しつけをしてコントロールする必要があります。

とはいえ犬も意味なく噛んでいるわけではありません。犬は人の言葉をしゃべれないため、犬の行動から気持ちを読み取るのが重要となっそnてきます。
この記事では、犬が人やモノになぜ噛みついたのかとしつけ方法、しつけの失敗例について紹介していきます。


その1・口の中がむずがゆくて噛む

乳歯から永久歯に生え変わる生後4ヶ月齢~10ヶ月齢になると、犬は歯茎が痒くなります。
この歯がむずむずする違和感を解消しようと、目の前の飼い主や家具に噛みついてしまうのです。

対処法:急に嚙み始めたと感じたら、歯が生え変わりが始まったのかもしれません。
人間と同じようにグラグラしている歯があるか確認してみましょう。
また、噛みついたおもちゃや家具に血が付いているならば、歯が抜けたときの出血かもしれません。
「柔らかく口の中に入れてもいいもの」を代用として与えてあげましょう。

その2・ストレスで噛む

歯の生え変わりが終わっている成犬が家具やケージに噛みついていた場合、何かストレスを抱えている可能性があります。
孤独を感じたり、閉じ込められたり運動が少なかったりするとストレスを感じることがあります。

対処法:日ごろから犬の状態を見て、散歩に連れていく、おもちゃで遊んであげるなどのスキンシップを取ると良いでしょう。

その3・遊んでいるときに興奮して噛む

遊びの中で興奮して、力加減が分からず、興奮して強く噛んでしまうといったケースです。
また、散歩が楽しくてリードに噛みついてしまうなど、ポジティブな理由も存在します。
対処法:もしその延長で手を噛まれてしまったら「痛い!」と言って、遊びを中断し、その場を離れるようにすると良いでしょう。
手を噛んだら遊びが終わってしまうことを明確に伝えると、犬は、手を噛まないように気をつけるようになります。
注意点としては、手に歯が当たったら遊びを中断すると明確に線引きを行うことです。強く噛んだ時だけ中断するとなかなか伝わりません。遊びをやめる判定は厳密にすべきです。

その4・飼い主さんに構って欲しくて噛む

飼い主さんがスマホやテレビを見たり、ゴハンを食べていたり、愛犬の相手をしていない時にスリッパや、靴下の指先、ズボンの裾、服などを噛むことが多いでしょう。あるいは、寝転がっていると髪の毛を噛むということも多くあります。


対処法:自然に直るだろうと放っておくと「噛めば飼い主さんが遊んでくれる、楽しんでくれる」と勘違いしてしまいます。
家事をしたり、食事をしたり、犬の相手をできない時は一度ケージに戻すことが大切です。
きちんと相手ができるタイミングで出すようにしましょう。

その5・撫でられたときに噛む

飼い主さんの手が近づくことに対して興奮している。
突然知らない子どもがやってきて、しかも力の加減を知らずに急に撫でた。など手の接近に対して嫌悪感があり、手の接近に対してドキドキしている可能性が高いです。


対処法:犬は撫でられるのが好きと思わがちですが、必ずしもそうではありません。
撫でられることをくすぐったいと感じていたり、うざいと感じていることもあります。
犬の顔には、感覚器官が集中しています。ワシャワシャ撫でることは、過剰な刺激となり興奮を呼びますので、正面から撫でるというコミュニケーションは控えたほうがいいでしょう。撫でる場合は、ハンドリングと言って、撫でることに馴らす練習が必要です。

その6・甘えや興奮でつい噛んでしまう

飼い主に甘えている、じゃれている、遊びで興奮しているなどの際にも、つい噛んでしまうことがあります。
特に好奇心旺盛で遊び盛りな子犬によく見受けられます。
本能的な部分も大きいため、基本的には問題ありません。
ただし、興奮しすぎて力のコントロールを間違えてしまうと、咬みつきが助長されます。

対処法:興奮を抑えるためには、子犬に集中するものを与えることが大切です。
知育トイを与えたり、フードをお皿から与えるのではなく、1粒ずつ手から与えるようにすれば、そちらに集中するため、興奮は弱くなります。

またハウスリードを装着することで、興奮することを防ぐことができ、また散歩の練習にもつながります。


その7・抱っこやブラッシングしようとしたときに噛む

リードを着けようとすると噛む、捕まえようとすると噛む、ブラッシング中に噛むなどは、拘束が嫌、慣れていない、何されるかわからないなどが理由で嫌がっている可能性があります。
噛めば嫌な事が終わると学習するため、特に深刻化しやすく、繰り返せば、触れなくなるほど噛むようになるパターンでもあります。
かなり強い噛みつきに発展する可能性が非常に高いです。

対処法:まずは、無理やり押さえつけてブラシをかける、無理やり押さえつけて足ふきをするなど、無理やりするということは一切控えてください。
ブラシを当てたら褒める、少しでもブラッシングができたら褒めてあげるなどを行い、徐々に少しづつ慣らしてあげると良いでしょう。

その8・フードを与えた際に唸り、手を出すと噛む

柴犬などの日本犬に発生しやすい深刻な攻撃行動です。
フードに対する執着が非常に強く、フードを守ろうとして唸ったり噛んだりします。

対処法:可能であれば、フードをお皿に入れてではなく、手から与えるようにすると、唸ることがなくなることがあります。
散歩中に与える、庭で与える、といった場所を変える方法もあります。
1粒~数粒ずつ、おやつ感覚で与えていくと、攻撃しない場合もあります。但し、手から与えても、その手に噛みついてくる場合があるため、慎重に実施すべきです。

その9・物を守って噛む

無理やりに取ろうとすると、奪われまいとする意図から、より強い攻撃に発展し、また唸る事で守れた経験から、攻撃行動が繰り返し発生するようになります。

対処法:オヤツと交換することです。一方的に奪われるのではなく交換であれば、犬も納得しやすくなります。


・犬の要求を叶えてしまう

「噛んでるものを離しなさい」と言っても聞かないときに、しょうがないなぁとそのまま与えてしまうと、愛犬は「噛んだらソレをもらえる」と勘違いしてさらに噛む頻度が増すこともあります。
さらにそこから犬が噛んでいたものを奪って走りまわったり、追いかけまわすと、犬にとっては引っ張り合っこしてくれた上に追いかけっこもしてくれたとなってしまいます。
手を噛ませていないから大丈夫と思うかもしれませんが、愛犬が優位である状況が積み重なるとワガママになっていき、自分の要求が通らない=噛むということに繋がりかねません。

・無視する


無視された犬はかまってもらえないと感じます。もう少し強く咬んだら相手してくれるのかな。と考え、もう少し強く咬みます。
犬の方もじれったくなって、徐々に噛む強さを強くしていきます。その結果、大きなケガとなった段階で反応することになります。
犬の方は強めに噛めば飼い主は反応してくれると学んでしまいます。
「無視」ではなく、その場からいなくなることで、噛んだら大好きな飼い主さんがいなくなってしまうと教えましょう。

・大声で叱る、体罰を与える


噛むからといってマズルを掴む、叩く、などの行為は、人の手に対して嫌悪感を抱きやすくなります。
場合によっては、顔周りに手が近づくだけで噛むようになる可能性もあります。
日々のケアや治療時に大変困りますし、何より信頼関係が築けなくなります。
突然の大声は犬に恐怖心を与えたり、叱られることに対しても相手をしてもらえたというご褒美になってしまう場合もあります。

犬が噛むのには理由や原因があります。
それを飼い主さんがしっかりと理解し、間違ったしつけや行動を行いわないことが大事になります。
もういいや。と放置することだけは絶対にしないでください。