2024/10/21 17:54
わんちゃんが食べてしまうと命に危険を及ぼす食べ物を紹介します。
私たち人間にとっては美味しいものでも、ワンちゃんにとっては命にかかわる食べ物が多くあります。
初めて食べさせるものについては必ず事前に調べる癖をつけましょう。
たぶん大丈夫だろう、の思い込みが命取りになります。
また、アレルギーを持っている可能性を考慮し、必ず少量から始めましょう。
また、犬の中毒についてはいまだ未解明の部分も多くあり、症状や中毒を発症するまでの時間は、
食べてしまった量や犬の体質によっても異なります。
決して、この情報だけで自己判断はせず、食べてしまった場合にはかかりつけの獣医師に相談しましょう。
1チョコレートやココア(中毒)
中毒を発症するまでの時間:おおむね6~12時間以内、早ければ1~2時間以内
原因は原料であるカカオに含まれるテオブロミンという成分です。
チョコレートに含まれるデオブロミンやカフェインの過剰摂取により、食べたあと4~12時間ほどで中毒症状が現れます。
チョコレート中毒の症状は様々で、下痢、嘔吐、発熱、興奮、頻脈、不整脈、多尿、ふらつき、パンティング(息が荒くなる)、腹痛、痙攣など多岐にわたる症状を示します。
多量に食べると神経や心臓へ過剰な作用を起こし、震えや不整脈、痙攣などの症状が出るだけでなく、昏睡状態から死に至ることもあります。
症状が出始めるのは、摂取後数時間〜半日程度ですが、犬の場合は人間と違ってテオブロミンの代謝・排泄に時間がかかるため、毒性自体は72時間ほど続くともいわれています。
食べてから数日間はしっかりと犬の様子を見て、しかるべき対処をとることが重要です。
また、チョコレートには多くの油脂が使われていることが多いため、摂取後24~72時間で膵炎が起こることもあります。
変化が無くとも獣医師の診察を受けるようにしましょう。
2玉ねぎ、長ねぎ、らっきょう、にら、ニンニクなどのネギ類(中毒)
中毒を発症するまでの時間:30〜60分で現れることもあれば、1〜5日で症状が出ることもある。
ネギ類には、「有機スルホキシド」という成分が含まれています。
この成分は人間が食べても問題ありませんが、犬が食べて体内に吸収されると、犬の赤血球を破壊し、貧血を引き起こす可能性があります。
中毒が発症する摂取量も個々の犬により異なり、タマネギを生のまま1個食べても発症しない犬もいれば、タマネギのエキスが入った汁をなめて発症してしまう犬もいます。
ネギ中毒の症状としては、元気がない、食欲がない、から始まり、貧血・呼吸困難・血尿・嘔吐などの症状を引き起こします。
柴犬はほかの犬種よりタマネギに対する感受性が高いので、細心の注意が必要です。
また、一度に大量に摂取するだけでなく、少量を長期にわたって摂取することでも影響が出るため、「前食べて問題なかったから大丈夫!」と安易に思うことはNGです。
3ブドウ、レーズン、マスカット(中毒)
中毒を発症するまでの時間:およそ12時間以内に嘔吐などの消化器症状、重度の場合24時間~数日以内に急性腎不全
実は、ブドウの中毒症状を起こす成分が何かは解明されていませんが、ワンちゃんがブドウを食べると急性腎不全を引き起こします。
ぶどうやレーズンに含まれる毒素が犬の腎臓にダメージを与え、排泄機能が低下するのです。
症状としては、食べて6〜12時間以内で嘔吐や下痢を繰り返したり、ぐったりと動かなくなってしまったり、食欲がない、水を多く飲むなどの症状が発生しているといわれています。
症状が進行すると尿がほとんど出ない、口腔内の潰瘍などの症状が現れ、急性の腎不全、低血圧性ショックなどを引き起こします。
4キシリトール(中毒)
中毒を発症するまでの時間:摂取後 30〜60分以内に発現する場合もあれば、摂取後 12 時間まで遅れる場合もあります
キシリトールは、人間用の歯磨き粉や一部の菓子、ガム等に使用される甘味料ですが、ワンちゃんが摂取するとインシュリンの量が極端に増加してしまい、低血糖と急性の肝不全を引き起こします。
食べた後1時間で症状が出る場合もあれば、12時間ほど経ってから中毒症状が現れることもあります。
最初は嘔吐や下痢、元気がないなどの症状から始まり、次第にぐったりしている、歩行困難、痙攣などの症状に陥り、最悪、昏睡状態になることもあります。
生後1年に満たない子犬の場合ですと、キシリトールガム一粒の摂取で意識不明の重篤な状態に陥る可能性が高いです。
最初は嘔吐や下痢、元気がないなどの症状から始まり、次第にぐったりしている、歩行困難、痙攣などの症状に陥り、最悪、昏睡状態になることもあります。
生後1年に満たない子犬の場合ですと、キシリトールガム一粒の摂取で意識不明の重篤な状態に陥る可能性が高いです。
5フライドチキンなどの鳥の骨(食道や腸を傷つける)
鳥の骨に含まれる栄養成分自体に問題はないのですが、噛んだ際に、脆く、細かく砕ける性質があります。
そのため、犬にとって窒息の危険性があるだけでなく、噛むことで骨が砕け、口内や消化器系を傷つける恐れがあります。
そのため、犬にとって窒息の危険性があるだけでなく、噛むことで骨が砕け、口内や消化器系を傷つける恐れがあります。
破片自体が非常に鋭利な形をしているため、飲み込んだ後に胃の中で刺さったり腸壁を傷つけ、内臓出血を引き起こすほか、腹膜炎や胸膜炎を引き起こす可能性があります。
6アボカド(中毒)
中毒を発症するまでの時間:食後おおむね1〜3日以内
アボカドに含まれる「ペルシン」という物質が、犬に対して胃腸障害を引き起こす可能性があります。
アボカドの実と葉の両方に含まれており、アボカドを大量に摂取した犬は、膵炎、呼吸困難、心膜水腫、さらには死亡のリスクにさらされる可能性があります。
現時点では、一概にこれだけの量を食べたら危険という基準がわからないため、一口も食べさせないのが安全です。
7マカデミアナッツ(中毒)
中毒を発症するまでの時間:およそ1時間〜12時間以内
マカダミアナッツの中毒成分はまだ解明されていませんが、犬にとって有毒な物質が含まれているため、中毒症状を引き起こす可能性があります。
中毒症状には、嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失、震え、発熱などが挙げられます。
マカダミアナッツを食べてから症状が出る時間帯は6~24時間とされていますが、おおむね12時間以内に筋肉に力が入らない中毒症状が表れるとされています。
8銀杏(中毒)
中毒を発症するまでの時間:数時間以内
具体的には、銀杏の種子に含まれる「メチルピリドキシン」が犬にとって有害となります。
神経系の障害や消化器系の疾患を引き起こす可能性があります。
神経系の障害や消化器系の疾患を引き起こす可能性があります。
メチルピリドキシンは熱に強い成分のため、たとえ加熱しても与えないようにしましょう。
9アルコール類(中毒)
中毒を発症するまでの時間: 空腹時でおよそ30 分以内、満腹状態で 1〜2時間以内
そもそも人間にとっても有害なアルコールは、犬にとってはより危険なものになります。犬はアルコール飲料に含まれる「エタノール」を分解する酵素を持っていません。
症状としては嘔吐・見当識障害・高体温・落ち着きのなさ・過度のパンティング・筋振戦と痙攣発など。
重症の場合や治療しないまま放置した場合、犬のアルコール中毒は臓器不全を引き起こし、死に至ることさえあります。
重症の場合や治療しないまま放置した場合、犬のアルコール中毒は臓器不全を引き起こし、死に至ることさえあります。
アルコール飲料をほんの少し舐めただけでも中毒症状が出る可能性があります。
犬は甘いものを好むので、日本酒やリキュールのような甘い味のお酒は、特に誤飲が危険です。
除菌スプレーやウェットティッシュなども、愛犬の近くで使うものはアルコールフリーのものを選ぶなど、よく注意しましょう。
除菌スプレーやウェットティッシュなども、愛犬の近くで使うものはアルコールフリーのものを選ぶなど、よく注意しましょう。
10生肉
現在の獣医学では、犬に生肉を与えることは推奨されていません。
特に鶏肉はサルモネラ菌の感染源となる可能性があります。
また、その他の肉類にも寄生虫や細菌が含まれている可能性があります。
生肉中心の食事は栄養管理が難しく、菌や寄生虫による感染症のリスクや、消化不良についても問題視されています。
どうしても与えたいという場合には、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
豚や鶏のレバーは鉄分やビタミンAを多く含むため、犬の栄養補給には有益な食材と言えます。しかし、過剰にビタミンAを摂取すると、体に蓄積され、骨に異常を引き起こすことが知られています。特に成長期の犬には深刻な影響を及ぼすことがあります。
11イカ、タコ、エビ、カニ、貝類などの魚介類(生:ビタミンB1欠乏症 加熱:消化不良)
魚介類は、高たんぱくでオメガ3脂肪酸など犬の健康に良い成分を含んでいますが、生で与えると寄生虫の感染リスクがあります。
特に、アニサキスなどの寄生虫は人間だけでなく犬にも感染します。
また、イカやタコ、エビ、カニ、貝類など含まれる「チアミナーゼ」という成分が、必須ビタミンであるビタミンB1を分解する作用があります。
ビタミンB1が不足すると脚気の症状を起こすこともあり、歩行不能になることがあります。
チアミナーゼは熱に弱いので、しっかりと加熱したイカであれば問題ありませんが、イカは消化が悪い食材です。下痢や消化不良を起こす可能性があります。しっかり茹でたものにせよ、基本的には与えないようにしましょう。
12生卵の白身(ビオチン欠乏症)
卵自体は、健康維持に必要なたんぱく質が豊富に含まれている魅力的な食材です。
しかし、生の卵白にはアビジンという物質が含まれており、これはビオチン(ビタミンB群の一つ)の吸収を阻害する可能性があります。
アビジンは、皮膚や被毛を健康に保つために必要な「ビオチン」を破壊してしまい、皮膚病や無気力といった症状が出る可能性があります。
アビジンは熱に弱いので、加熱した卵白は犬に与えて問題ありません。
卵を与える際には黄身と白身を一緒に与えるか、白身は必ず加熱してから与えるようにしましょう。
13人間用の牛乳(消化不良)
基本的に、犬に牛乳を与えることは推奨されていません。
人間用牛乳は栄養価は高いのですが、乳糖(ラクトース)と呼ばれる酵素が多く含まれています。
乳糖を分解するためには「ラクターゼ」という消化酵素が必要です。個体差はありますが、犬は離乳期を過ぎるとラクターゼの分泌量が少なくなります。そのため、ワンちゃんが乳糖の多い人間用牛乳を飲むと、消化がしきれずにお腹が緩くなったり、下痢をしやすいです。
人間用に加工された牛乳ではなく、犬用ミルクとして販売されているものであれば、乳糖が含まれていないものや、低脂肪のものなどがあるので安心です。
愛犬の健康を維持し、長生きしてもらうためには、飼い主さんが「食べてはいけないもの」を知り、拾い食いや誤飲などを避けるために「しつけをする」ことが大切です。
そして、中毒症状が見られた場合は、すぐに獣医に連絡すること。自己判断での対応は避け、専門家の意見を求めて行動しましょう。