2026/07/31 20:49

人には右利き・左利きがありますが、犬や猫にも、特定の場面で左右どちらかの前足をよく使う「利き足(paw preference)」が見られます。

おもちゃを押さえるとき、狭い場所の物を取るとき、歩き始めるとき。いつもの行動を少し注意して眺めるだけで、「うちの子は右足をよく使うかも」と気づけるかもしれません。

今回は、犬と猫の利き足にまつわる意外な雑学と、お家で楽しめる簡単な観察方法をご紹介します。

犬と猫にも「右利き」「左利き」がある?

犬と猫の利き足に関する複数の研究をまとめた2019年のメタ分析では、猫の78%、犬の68%が、左右どちらかの足を好んで使う傾向を示しました。一方、人のように「みんな右利きが多い」という集団全体の偏りは確認されず、犬も猫も右派と左派に分かれます。

猫については、メスの方がオスより右足を使う傾向が強いという性差も報告されています。 ただし、同じメタ分析では犬に同様の性差は確認されていません。
「犬はオスなら左利き」「猫はメスなら必ず右利き」という意味ではありません。あくまで多くの個体を比べたときに見られた傾向であり、目の前の愛犬・愛猫にはそれぞれの個性があります。

お家でできる「利き足チェック」

特別な道具を用意しなくても、普段の遊びの中で観察できます。研究では、犬がフード入り玩具を押さえる足、物を取るために伸ばす足、歩き始めや段差で最初に上げる足などが調べられています。 猫では、容器やパズルからフードを取り出すときに使う足などが観察されます。

1.おもちゃ取り出しチェック

安全な布製おもちゃを、前足なら届く浅いすき間やペット用パズルの縁に置きます。 愛犬・愛猫が最初にどちらの前足を伸ばすかを記録してみましょう。

一度だけでは偶然かもしれないため、日を分けて10回ほど観察するのがおすすめです。右足が多いか、左足が多いか、それとも半々かを数えてみてください。

2.ファーストステップ・チェック

伏せたり座ったりしている状態から自然に歩き始めたとき、最初に上げた前足を記録します。 低く安全な段差をまたぐ場面も観察しやすいでしょう。
ただし、「おもちゃを取るときは右、歩き始めは左」という結果もあり得ます。 2022年の犬の研究では、歩行に関する課題同士には一定の関連が見られた一方、玩具を押さえる課題との関連は限定的でした。使いやすい足は、行動の種類によって変わる可能性があるのです。
無理に前足を出させたり、何度も続けて疲れさせたりせず、遊びの延長として楽しむのがコツです。

利き足で性格まで分かるの?

「左利きは慎重」「右利きは穏やか」といった話を見かけることがありますが、利き足だけで性格を決めつけることはできません
犬を対象にした2022年の研究では、利き足と感情の感じ方との間に明確な関連は確認されませんでした。 研究者は、測定に使う課題によって結果が変わり得るため、利き足から感情面を判断するには、さらに検証が必要だとしています。
猫では、90匹を対象にした研究で、利き足の「方向」よりも左右どちらかを使う偏りの強さと気質との関連が報告されました。ただし、これも一つの研究結果です。愛猫の性格を判定するテストではなく、「こんな研究もあるんだ」と楽しむ雑学として受け止めるのがよいでしょう。

いつもの遊びが、もっと楽しくなる

利き足を知ることは、正解を当てるゲームではありません。 右・左・両方のどれであっても、その子らしい動きの一つです。
おもちゃを渡す位置を少し変えたり、知育玩具を押さえる様子を観察したりすると、いつもの遊び時間に新しい発見が生まれます。今日からぜひ、愛犬・愛猫の「最初の一歩」に注目してみてください。

※ご注意:この記事は一般的な雑学・研究情報の紹介です。行動や歩き方に急な変化がある場合や、足をかばる様子がある場合は、利き足と判断せず獣医師へご相談ください。