2026/08/16 09:52

うだるような暑さが続く真夏のシーズン。日中のアスファルトは太陽の熱を吸収し、私たちが想像する以上に高温になっています。背の低い愛犬たちは、その熱い路面にとても近い場所を歩いています。

今回は、犬の体のパーツで最もユニークな「肉球」の知られざる秘密と、夏の散歩で気をつけたいアスファルトの危険性についてご紹介します。

肉球は全身で唯一「汗をかく」場所

プニプニとした感触がたまらない愛犬の肉球ですが、実は生物学的にとても重要な役割を担っています。

犬は人間のように全身の皮膚から汗をかいて体温調節をすることができません。
犬の体に分布する汗腺(アポクリン腺)はフェロモンなどを分泌するもので、体温調節用の汗をかくことはほとんどできません。
例外的に、肉球にだけは「エクリン汗腺」という、人間と同じ体温調節用の汗腺が存在しています。

つまり、肉球は愛犬にとって体温調節のための大切な窓口であり、同時に地面との摩擦を生み出して滑り止めにする頼もしいクッションでもあるのです。

衝撃の吸収:歩行時やジャンプ時の着地衝撃をやわらげるクッション
滑り止め:フローリングや屋外で足元をしっかりグリップする
体温調節:唯一のエクリン汗腺があり、わずかに汗をかいて熱を逃がす

気温30度でもアスファルトは55度以上に?

夏の日中、気温が30度前後の日であっても、直射日光を浴びたアスファルトの表面温度は50度から60度近くにまで達することがあります。
人間が手で触ると「熱い!」と飛び退くほどの熱さです。

背の低い小型犬や中型犬は、この熱せられた路面との距離が非常に近いため、人間以上に強い熱気と輻射熱を受けています。
肉球は丈夫に見えますが、高温になったアスファルトの上を歩くことで、火傷(やけど)や水ぶくれといった深刻なダメージを受けてしまうことがあります。

また、肉球が火傷を負うと歩行時に痛みが生じ、愛犬にとって大きなストレスになります。
「夕方になって涼しくなったから大丈夫」と思っていても、アスファルトは夜まで熱を溜め込んでいることがあるため油断は禁物です。

夏のお散歩で肉球を守るための工夫

夏の暑い時期でも、愛犬の運動欲求を満たし、気分転換させてあげたいもの。肉球を守りながらお散歩や外出しを楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。

1. 散歩の時間帯を見直す

日中のアスファルトを避け、早朝の涼しい時間帯や、日が沈んで十分に路面が冷えた夜遅くにお散歩時間を変更しましょう。
出発前には、飼い主の手のひらや手の甲を数秒間アスファルトに当てて、熱くないか必ず確認してください。

2. 芝生や土の上を選ぶ

公園の芝生や土の道は、アスファルトに比べて太陽熱の蓄積が少なく、表面温度が低めです。
お散歩のルートをアスファルトから草木のある道へと変えるだけでも、肉球への負担を大きく減らせます。

3. ドッグシューズ(靴)の活用

どうしても日中に外出する必要がある場合や、熱い路面を歩かざるを得ない場合は、犬用のシューズやプロテクトブーツを活用するのも効果的です。最初は室内の短い時間から履かせて慣れさせてあげましょう。

4. 帰宅後の肉球チェックとケア

お散歩のあとは、肉球に乾燥やひび割れ、赤みがないか優しくチェックしてあげましょう。
乾燥している場合は、ペット用の肉球クリームや保湿バームで優しくケアしてあげるのがおすすめです。

まとめ

愛犬のチャームポイントである肉球には、体温調節や歩行を支える大切な仕組みが詰まっています。
しかし、夏の熱いアスファルトは肉球に大きなダメージを与えてしまいます。

時間帯の工夫やルート選び、日々のこまめなチェックを通して、愛犬の足元を優しく守ってあげましょう。

※ご注意...この記事は一般的な情報提供を目的としています。愛犬の肉球に火傷や怪我の症状が見られる場合、または歩き方に異変がある場合は、自己判断せずに速やかに獣医師にご相談ください。